重松囃子

重松囃子は、埼玉県所沢市出身の「古谷重松」によって伝えられた。古谷重松は行商(箕、蒸籠、甑、篩等を直す行商)をしながら各地に囃子を伝え、特に平井地域には重松の考案した全曲が伝授されたと言われる。
 明治18年(1885)頃、平井下宿(志茂町)の浜名八十八宅の土蔵に半年間滞在し、その時地元の若者たちに囃子を伝承したと言われる。

曲の種類

・屋台囃子(やたいばやし)

 

屋台囃子は、神を送り迎えする調べと言われており、神霊が御輿に乗って特定の地域を「渡御」と称して巡る時に囃される。付太鼓両方が絡み合い大変勇壮で豪華な旋律で構成された曲目である。
踊には勇壮な獅子の舞と歯切れのよい動きの天狐の舞である。

 

・宮昇殿(みやしょうでん)

 

神が山から里に降りて宮に近づいたことを知らせる調べである。

 

・国固め(くにがため)

 

神がいよいよ宮に入ることを知らせる調べである。

 

・鎌倉(かまくら)

 

神が宮に入って座すときに囃される。
踊には獅子が居眠りをする仕草などをする。

 

・使丁目(しちょうめ)

 

神を迎えて祭場での神事も終わり、神官が御神酒に酔い、上機嫌になって帰る調べである。
踊には、下道が鼻くそを丸め、団子にして放り投げたりする。

 

・仁羽(にんば)

 

神官の喜ぶ姿を見ていた下男下女が、それにつられて踊りだすのが仁羽の曲である。
踊はひょっとこ、おかめがある。

 

・ねんねこ

 

子守唄で、おかめが踊る。女としての家事や掃除も終わり、わが子をあやす曲に合わせて踊る。